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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年12月1日「日本初の映画スター」

きょう12月1日は「映画の日」。明治29年のこの時期に日本で初めて映画が上映されました。
でもそれは、箱の中に写る簡単な映像を一人ずつ覗き込むものです。
スクリーンに映写する映画が登場したのはその1年後。
多くの観客を対象とした活動写真を全国に広めた人物が、駒田好洋です。

22歳の駒田は料亭で3人の芸者の踊りを撮影して東京の歌舞伎座で公開。
これが日本初の商業映画です。
翌年には実際に起こった事件を元に「稲妻強盗」という作品を製作。
これが日本初の劇映画となりました。

映画を作るだけでは飽き足りなかった駒田は、日本に映画を広めようと、27年の歳月をかけて北海道から鹿児島まで全国を巡業し、上映会を催します。

フィルムと映写機、スクリーンを持ち運んで各地の芝居小屋や集会所を訪ねるのですが、駒田はブラスバンドも引き連れていきました。
町に入るときには燕尾服にシルクハット、白手袋の駒田がバンドを指揮しながら行進。そのパフォーマンスで町中の人を集めたのです。

また彼は映画の上映中には万事大げさな説明をして愛嬌たっぷり。
「すこぶる非常な」という文句を頻繁に使っていたので、「すこぶる非常大博士」
と呼ばれる人気ぶりでした。
映画俳優がまだいない当時、 日本初の映画スターは駒田好洋だったのかもしれません。