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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年11月17日「ハンカチの秘密」

昭和54年11月18日、陸連公認の世界初の女性だけのマラソン「第1回東京国際女子マラソン」が開催されました。
当時はまだ女性がフルマラソンを走ることができるのか半信半疑だった時代。秋深い小雨の都心を10カ国・50人の女性ランナーが駆け抜けたのです。

世界のトップアスリートたち尻目に前半から積極的に飛び出し、当時としては好記録の2時間37分48秒で優勝したのは、イギリスのジョイス・スミス選手。
2人の子供を持つ42歳のママさんランナーでした。

彼女は、初めから終わりまで中継テレビに映り続けますが、その右手にはなぜか白いハンカチが握られていました。
そのハンカチをときどき口に当てながら走り続けます。
その理由をアナウンサーが推理します。
「汗を拭っているのでしょうか」
「ひょっとして元気の出る薬が染みこんでいるのではないでしょうか」
「どんな秘密があるのでしょうか」

優勝インタビューで白いハンカチの秘密を尋ねられたスミス選手は、こう答えたのです。
「私はマラソンランナーとして世界のいろいろな道路を走らせていただきます。
でも長時間走っていると口の中に唾がたまってきます。
その唾を吐いて道を汚すのが申し訳なくて、いつもハンカチを持って走り、唾を拭き取るのです。
このハンカチには何の秘密もありません」
走りだけではなく、礼儀やマナーも一流のランナーだったのでした。