2018年9月1日「知らない間に大ヒット」
サッチモ...ルイ・アームストロングの歌と演奏で有名な曲のひとつが『ハロー・ドーリー』です。
1964年にシングルレコード盤で発売されたこの曲は全米No.1を記録し、当時63歳のサッチモの名が世界中に広まったのです。
ところが、サッチモ自身は『ハロー・ドーリー』の大ヒットを知らなかったというお話。
サッチモのバンドがツアーに出てコンサートをすると客が口々に「ハロー・ドーリー」と叫ぶようになりました。
「ハロー・ドーリーって何だい?」とサッチモがバンドのメンバーに聞くと
「この間スタジオでレコーディングした曲かも」。
その当時のサッチモたちはスタジオで渡された楽譜を見ながら次から次に数多くの曲を演奏して録音したら、それでおしまい。
困ったことにバンドの誰もが『ハロー・ドーリー』のメロディさえも憶えていないのです。
ツアーが進むにつれて客の「ハロー・ドーリー!」の声はどんどん高まっていきます。
これ以上その声を無視して演奏しないわけにはいきません。
慌てたマネージャが町中のレコード店を探し回って、やっと1枚のシングル盤を見つけてきました。
このレコード、つまり自分たち自身が歌い演奏した『ハロー・ドーリー』をバンド全員で必死になって聴き込み、その晩のコンサートに間に合わせたというわけ。
もちろん拍手喝采の嵐でした。
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