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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年7月21日「南極猫タケシ」

昭和31年から始まった日本の南極観測。
第一次観測隊では樺太犬22頭が南極に渡って犬ゾリを引いて活躍し、タロとジロの話が後に映画『南極物語』で紹介され、話題になりました。
しかし一方、この観測隊で1匹の猫も南極に渡ったことはほとんど知られていません。

南極に猫を連れて行く計画はなかったのですが、観測隊が港から旅立つときに見送りに来た人が「雄の三毛猫は航海のお守りになるので連れて行ってください」と隊員に渡したのが、産まれたばかりの野良猫だったのです。
皆から歓迎された子猫は、観測隊の隊長の名前をそのまま貰ってタケシと名付けられました。

タケシは皆から可愛がられ、すくすくと成長。
南極の寒さにも強く、夜は寝袋に潜り込んで寝ますが、昼間は外出する隊員の後ろを付いて歩いたり、犬たちと戯れあったり。
隊員のだれの心にも残る思い出は、タケシが何か悪戯をしたとき。
「こらっ、タケシ!」とわざと隊長に聞こえるように叱るのです。
その瞬間が隊長を除く全員の楽しみだったとか。

樺太犬たちは犬ゾリを引っ張る仕事をする南極観測隊の一員でした。
そして南極猫タケシもまた、南極の閉ざされた厳しい世界で長期間集団生活を強いられる観測隊の心を癒すことで皆のストレスを緩和し、チームワークを円滑にした功労者だったのです。