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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年5月19日「音楽の数学」

日本ではあまり馴染みがありませんが、20世紀ドイツの作曲家の一人にハンス・アイスラーがいます。

彼は当時、前衛的な無調・12音技法という独特な手法で管弦楽曲などを発表しましたが、ユダヤ系であったことからナチスの迫害を受け、米国に亡命。
映画音楽の作曲に専念します。
その暮らしの中で、あの大科学者アインシュタインに数学を教えた人物としても知られています。

というのは...
ユダヤ系でナチスに迫害され米国に亡命という境遇が似ているアイスラーとアインシュタインを引き合わせようと、或る人が二人を自宅へ招待しました。
その家にやって来たアイスラーは控えの間でヴァイオリンケースを目にして、アインシュタインの趣味がヴァイオリンであることを思い出し、ピンときます。
「きょうは博士の伴奏をすることになるな」と直感したのです。

夕食後、やはりその通りになりました。
ヴァイオリンを手にした大科学者は複雑なリズムの曲の演奏に四苦八苦。
それを優しく見守りながらピアノで伴奏するアイスラーが指導します。
「博士、そこは4分の3拍子だから頭の中で三つ数えなくちゃだめですよ。
 ほら1、2、3。1、2、3」

それ以来、アイスラーはアインシュタインに数学を教えたことがあると自慢するようになったのです。