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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年3月3日「引退した雛人形」

桃の節句の雛人形。最近は2、3度飾ると不要になり、傷みも汚れもないのに人形供養に出して捨てる家庭が多いようです。
それじゃ人形が可哀想。もっと長生きさせられることはできないか...。
10年前にそんなことを話し合った主婦の集まりがあります。

その中の一人が、手に持った雛人形の着物をよく見ようと人形の手を広げてみると、「さぁいらしゃい」と人形が語りかけているように見えました。
顔の角度も少し捻るだけで表情豊かになります。
「そうだ、雛壇で女の子の成長を見守る役目を引退した雛人形には、第二の人生として好きなことを楽しんでもらおう」
こうして始まったのが、日常生活を表現する雛人形づくり。
役目を終えた雛人形をアレンジして、現代の暮らしに生きている姿にしたのです。

それを町の文化施設で展示すると大評判。
そこから発展したのが名古屋を中心に広がっていった「福よせ雛」福を引き寄せる現代風の雛人形の祭りです。

毎年冬から春にかけて公共施設や商業施設、個人商店などでさまざまなテーマを設けて雛人形の日常生活を展示。
8回目を迎えた今年は、名古屋、愛知、岐阜、奈良県の23会場で、雛飾りを引退した人形たちが居間でくつろいだり、麻雀を楽しんだり、美容サロンに通ったりと、第二の人生を思い思いに過ごしています。