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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年7月22日「少年院のラッパ吹き」

ドングリ眼でトランペットを吹き、渋いだみ声で搾り出すように情感たっぷりに歌う、といえばサッチモ・・・いまは亡きルイ・アームストロングです。

サッチモはニューオーリンズのスラムで生まれ育ち、不良仲間と悪さをして13歳で少年院送り。そこで起床と就寝を知らせるラッパを吹く役目をさせられたことが、音楽との出会いになりました。
その後更正してシカゴに出たサッチモはめきめきと腕を上げ、20歳になった頃には大人気のジャズミュージシャンになっていました。

1950年、サッチモはふるさとニューオーリンズで凱旋コンサートを行います。
演奏が始まってしばらく経ったころ、一人の老人がステージに向かって通路を歩き始めました。
サッチモはこの老人に気づくとトランペットを吹くのを止め、急に泣き出します。
老人はステージに上がると、脇の下に抱えていたタオルを開け、中のものをサッチモに手渡しました。
それはぼろぼろになった小さなラッパ。
サッチモが生まれて初めて少年院で手にした楽器です。
老人はかつて少年院でサッチモにラッパを手ほどきした教官だったのです。

サッチモは老人を抱きしめ、二人して泣きじゃくります。
そして、いつしか二人とも大きな声で笑い合うと会場は大きな拍手。
再びサッチモの陽気で温かい演奏が始まったのでした。