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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2017年4月22日「カタルーニャの英雄」

明日4月23日は「サン・ジョルディの日」。
親しい人に本や花を贈り合う、スペインのカタルーニャ地方伝統の記念日です。

昔々、カタルーニャが独立した王国だったころ、恐ろしい龍が暴れ回り人々を苦しめていたので、それを鎮めるために毎日生け贄を捧げていました。
ある日、王様の娘が生け贄になる順番が回ってきます。
大勢の国民が身代わりになることを申し出ますが王様はそれを断り、泣く泣く王女を生け贄に差し出したのです。

ところが王女が龍の餌食になるそのとき、白馬にまたがり黄金の甲冑を身に着けた騎士サン・ジョルディが現れ、龍と戦います。
ジョルディの剣が龍の心臓を突き刺して倒すと、流れた龍の血からバラの花が咲き乱れていきました。
ジョルディはその中から最も美しい赤いバラを手折り、永遠の愛のシンボルとして王女に贈ったのです。めでたしめでたし。

この伝説から、カタルーニャの人々はジョルディの命日とされる4月23日を「サン・ジョルディの日」と定め、愛する人たちに美と教養、愛と知性のシンボルとして、1本のバラと1冊の本を贈るようになりました。

英雄サン・ジョルディの名は、スペインの一部でありながら独自のカタルーニャ語を公用語として自治を守る、カタルーニャの人々の心の支えとしても深く根付いています。