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提供:創価学会
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2016年4月17日「ケイコ 海へ」

20年ほど前、『フリーウィリー』という映画が大ヒットしました。
主人公の少年が水族館に飼われていたシャチのウィリーを海に逃がして自由にするという物語です。

ウィリーを演じたのは、実際に水族館に飼われていた芸達者なシャチのケイコ。
その後、ケイコは病気になります。
このニュースは大きな反響を呼び、「ケイコの病気を治して、映画と同じように自然の海に帰してあげたい」という声が巻き起こります。

これに応えたのが映画の制作会社。自然保護団体や海洋学者の協力を求め、ケイコを野生に戻す活動の基金を設立し、寄付を集めます。
治療専用の水槽が建設され、そこで病気を治すことに成功。
次にケイコを生まれ故郷の海に移し、ゆっくり時間をかけて慣れさせる訓練をしました。
そして2002年、ケイコは通りかかった野生のシャチの群れに合流して、映画と同じように野生に戻っていったのです。

ところが2カ月後。ケイコは1頭で戻ってきます。
それを知って押し寄せた見物客に向かって芸を見せるケイコ。
このシャチは仲間と自由に生きるより、人と生きることを選んだのです。

ケイコの野生復帰運動に取り組んだ関係者たちは、人に慣れた動物を野生に戻す難しさを思い知り、そんな動物の幸せはどこにあるのかということを考えさせられたのでした。