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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2016年1月3日「最初に一日が始まる国」

2016年の元旦。
その初日の出を世界で最初に迎えたのはキリバスという国です。

キリバスは赤道直下の太平洋に浮かぶ33の島々から成り立つ国。
南の島の素朴な暮らしが残っていて、和気あいあいとした国民性で争いや犯罪はほとんどなく、大人も子供も目が合うとにっこり笑って挨拶をしてくれます。

ただひとつ、不便なことがありました。
それは東西5000キロに及ぶ国土の真ん中を縦断している日付変更線。
つまり、変更線の東と西とでは日付が異なり、時差が24時間近くあるのです。
そのため国内で役場や企業同士が連絡を取り合う際には、西側の島が月曜日の朝に東側の島に電話をすると、現地はまだ日曜日の朝で出勤していないというややこしい事態になります。
金曜日に東側から西側に電話すると相手は既に土曜日。
実質的には週4日しか仕事にならないのです。

この不便さに悩まされてきたキリバス政府はついに1995年、日付変更線を国の一番東の島まで移動させると宣言しました。
日付変更線はもともと東経180度の線のはずですが、いま世界地図を見るとその線はキルバスで大きくコの字型に変形しています。
なんと、キリバス政府の宣言を世界が認めたのです。

これによってキリバスは国内の24時間時差を解消することができ、おまけに「世界で一番最初に一日が始まる国」となりました。