12/6「姉妹都市」
昭和30年12月7日、長崎市とアメリカ・ミネソタ州のセントポール市が姉妹都市として提携しました。
国同士の外交関係とは別に、文化交流や親善を目的とした地方同士の関係が姉妹都市ですが、この長崎市とセントポール市が日本で初めての姉妹都市提携なのです。
きっかけは、セントポール出身の男性ルイス・ヒル。
かつて彼の祖父はアメリカとアジアを結ぶ国際的な船舶会社の経営者で、戦前、ルイスはその船で何度もアジアを訪れていました。
とりわけ胸をときめかせたのは、海と山が織り成す長崎の美しい自然。そして、優しく親切な長崎の人々との交わり。
彼は新婚旅行先も迷わずに長崎を選んでいます。
生涯をともにする妻に、自分が何よりも愛する長崎を見てほしかったのです。
しかし戦後、美しい長崎の町が原爆によって破壊されたことを知り、大きなショックを受けます。
悲しみの中で彼は考えました。「国と国がいがみあっても、町の市民同士の友情があれば、争いのない平和な世界を守ることができるのではないか」
この考えはやがて強い信念となり、自分の故郷セントポールと長崎とが交流することを、日本国際連合協会に訴えたのです。
平和のために始まった長崎市とセントポール市の姉妹都市提携。
現在、日本と海外との姉妹都市提携は1500件を超えています。
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