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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/22「化石ハンター」

19世紀の初め、イギリスで恐竜の全身化石が発見されました。
この発見によって、地球には絶滅した動物がいることが初めて明らかになったのです。

世紀の大発見をしたのは、メアリー・アニングという12歳の少女。
彼女が住む海沿いの町は化石が豊富にあることで知られ、貧しい暮らしのアニング一家を支えるために、メアリーは子どもながらに海岸を歩き回って化石を掘り出しては、それを売ってお金に換えていたのです。

彼女はその仕事を成人になってからも続けます。
結婚することもなく、日焼けしないように帽子を目深に被り、だぶだぶの服を着て、ごつい男物の靴を履き、化石を入れる籠を下げ、鏨(たがね)とハンマーを手に海岸を歩き回るメアリーの姿は、近所の人たちから「女化石屋」とからかわれ、疎外されました。
しかし、化石を買う学者たちはメアリーを高く評価し、彼女の暮らしを支えるために援助する人もいたのです。
貧しさのために無学だったメアリーですが、化石の専門知識を独学で学び、本当に価値のある化石を見分けて発掘し、学者たちに提供していきました。

化石発掘に生涯を捧げたメアリー・アニング。
地質学研究の発展に大きく貢献した彼女は、貧しい暮らしのまま47歳にして乳がんで世を去る数か月前に、ロンドン地質学会の名誉会員に選ばれています。