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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/4「子供議会」

戦後の日本の新しい民主主義教育の一つに「子供議会」という学習活動がありました。これは子どもたちの暮らしの身近な問題を解決するために子どもたちだけで討論会や決議をする組織です。

昭和24年、東京の台東区子供議会がひとつの決議をしました。
「上野動物園に象がほしい。名古屋から本物の象を借りてこよう」
戦争のために上野動物園から象がいなくなり、東京の子どもたちは寂しい思いをしていたのです。
子供議会の代表二人が夜行列車に乗って象がいる名古屋の東山動物園に向かいます。
でも小学生の頼み事を真剣に取り合ってくれる大人はなく、象を東京に呼ぶことはできませんでした。
それにもめげずに子供議会が「上野に象を」と呼びかけると、その輪は東京中に広がり、小中学生が都庁にプラカードを立てて押し掛けたり、都知事に陳情をしたりしました。

そんな日本の子どもたちの活動が、たくさんの象が人間と暮らす国インドに伝わります。
子どもたちのひたむきな思いに心を打たれたのはネルー首相。
すぐさま若くて健康な1頭の牝象を選び、自分の娘の名を取って「インディラ」と名づけ、日本に送り出したのです。

海を越えて叶った東京下町の子どもたちの小さな願い。
上野動物園で行われたインディラの贈呈式には子供議会の全員が招かれています。