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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/18「将棋とチェス」

戦後の日本を統治したのはマッカーサー率いるGHQ。
彼らは日本の非軍事化教育の一環として、剣道や歌舞伎の忠臣蔵、チャンバラ映画など戦いのイメージが強い文化を排除する政策を進め、将棋も禁止する動きがありました。

GHQから日本将棋連盟に出頭命令が下ります。
連盟を代表する棋士として選ばれたのは升田幸三。
彼は破天荒な性格の異端児ですが、度胸の良さと頭の回転の速さは将棋界随一。そこを見込まれて将棋連盟の命運を托されたのです。

GHQ本部に出頭した升田に係官が尋問します。「将棋は、取った相手の駒を自分の兵隊として使う。これは捕虜の虐待で非人道的で野蛮なゲームだ」
舛田はすかさず切り返します。「それは違う。将棋は敵の駒を捕まえても殺さないで、味方として働き場所を与える。人道的な思想なのだ」
さらに付け加えます。 「それに比べてあなた方が楽しんでいるチェスのほうは、取った駒を殺す。それこそ捕虜の虐待だ。それにチェスは王様が危なくなると女王様まで楯にして逃げようとする。これはあなた方の民主主義やレディファーストに反する行為ではないか」

升田にそう決めつけられると、担当官は苦笑いするばかり。
「きみはじつに面白い日本人だ」と、土産にウイスキーを持たせて帰らせたそうです。
もちろん、日本の将棋が禁止されることはありませんでした。