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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/5「テニスの義援金」

昭和50年のきょう7月5日、テニスの沢松和子選手が日本の女子として初めてウインブルドンで優勝しました。
日本のテニスが国際舞台に躍り出たのは大正時代。
日本人で初めてウインブルドンに出場したのは清水善造です。

当時の日本ではまだテニスが一般的に普及していませんでしたが、商社の社員だった清水は海外赴任の暮らしの中で気軽にテニスに親しみ、めきめきと腕を上げていきました。
そして赴任先の国で仕事をする傍ら、各国の選手権大会に出場しては優勝を積み重ねていきます。
その成果が認められ、大正9年、ついにウインブルドンに立ったのです。

この大会は前年度の優勝者への挑戦権をかけたチャレンジラウンド方式。
ここで清水はなんと決勝戦まで勝ち進んだのです。
彼の実力とスポーツマンシップに溢れた潔さや、終始笑顔を絶やさないプレイは観客たちの人気を集め、他のテニス選手からも尊敬される存在でした。

大正11年、ニューヨークに赴任していた清水に関東大震災の知らせが入ります。
そこで立ち上がったのは、アメリカのテニス選手たち。
彼らは日本救援のために全米各地でテニス大会を主催して、義援金を集めたのです。
もちろん清水もこの大会に参加。
そのお金は清水を通じて日本へ届けられ、震災復興に大きく貢献しました。