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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/19「革靴のテニス」

第一回オリンピックは1896年。クーベルタン男爵の提唱で、古代オリンピック発祥の地ギリシャのアテネで開催されることになりました。

この大会を観に来たのが、オックスフォード大学に通うジョン・ピウス・ボーランドという学生。彼はギリシャ古代史の研究をしていたので、古代オリンピックの復活に興味をもったのです。
彼は大会前夜にアテネの町で食事をしたときに相席した人物と意気投合。
ボーランドが趣味はテニスだと話すと、「じゃ、明日のテニスの試合に出場しないか」と誘われます。

じつはその人物は大会組織委員会の一人。
その便宜でテニス競技に飛び入り出場することになったボーランドは、翌朝、町を駆けずり回ってラケットなどを揃えました。
が、どうしてもテニスシューズだけが見つかりません。

仕方なくイギリスから履いてきた革靴で試合に臨むのですが、彼のテニスの腕前はたいしたもので、次々に対戦相手を撃破。
決勝戦でギリシャの選手にストレート勝ちし男子シングルスで優勝したのです。
また、ダブルスでは仲のよかったドイツ人と混合チームを組み、これも決勝でギリシャチームを下して優勝。

こうして、ギリシャ古代史の研究でアテネに来た一学生ボーランドは、オリンピックのテニス競技で最初のメダリストになり、ギリシャの近代史に自らの名前を刻んだのです。