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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/19「ボローニャソーセージ」

オペラ『セビリアの理髪師』や『ウイリアム・テル』で有名な作曲家ロッシーニ。彼は生涯に39曲ものオペラを作曲していますが、最後の作品を作ったのは37歳のとき。
人気の絶頂にあったロッシーニは突如、引退を発表したのです。
これからますますの活躍を期待されたにも拘らず、彼は以後二度とオペラを書くことはありませんでした。

引退後に始めたのは、パリに開いたレストランの経営と、彼のふるさとボローニャで豚を飼うこと。
なぜこんなことを始めたのか。その謎を解くカギは少年時代にあります。

ロッシーニは8歳でボローニャの音楽学校に通いますが、これが大の勉強嫌い。いつの間にか登校拒否になってしまいます。
そこで両親は町の肉屋に丁稚奉公に出すことにしました。
大いに喜んだのはロッシーニ本人。彼はボローニャソーセージが大好物で、肉屋で働けば毎日好きなだけソーセージが食べられると思ったのです。
しかし、この子どもらしい思いは叶えられることなく、目の前に大好きなソーセージが並んでいるのに、自由に食べることができないという絶望感だけを味わって、逃げ帰ってきました。

仕方なく再び音楽学校に通い始めたロッシーニ少年。
心の中には「いつか好きなだけボローニャソーセージを食べてやる」という決意があったのかもしれません。