TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(3/30「花の星座さくら道」)
(4/13「喫茶店事始め」)→

4/6「ワインで給水」

1896年のきょう4月6日、ギリシャのアテネで第1回オリンピックが開かれました。
近代オリンピックの第一歩となった記念すべき大会ですが、新聞の公募で集まった選手は、欧米の14カ国から280人。
国の代表ではなく個人的な自由参加です。

最も注目を集めたのは、この大会から産まれた新しい競技・マラソンです。
優勝したのはギリシャ人のスピリドン・ルイス。
彼は小さな村で湧き水を桶に汲んで担ぎ、それを12キロ離れたアテネまで日に2往復運んでいた若者です。
そんな彼がマラソンに出場したのは、結婚に反対していた恋人の父親に自分のことを認めさせようという一心からでした。

誰もが経験したことのないマラソンで途中棄権者が続出する中、レース中盤で彼はなんと沿道のレストランに入って休憩。
そこでワインを一杯飲んで元気を回復し、前の選手たちをごぼう抜きにして優勝したのです。
その記録は2時間58分50秒。

一躍ギリシャ国民の英雄となったルイスに「何か褒美を」と言うギリシャ国王に、彼は荷車と馬を願い出ました。
それがあれば、歩いて水を運ぶ必要はありません。
そう、彼は二度とマラソンを走らず、元の水運びの生活に戻ったのです。

もちろん、恋人と結婚することができたのは言うまでもありません。