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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2/2「ベルツ先生」

寒い冬に手足が乾燥してできるアカギレ(皸)。
その特効薬として知られているのが、「ベルツ水」という液体です。

エルウィン・フォン・ベルツは、明治9年に政府の招きで来日したドイツの医学博士です。
彼は冬に訪れた箱根の旅館で仲居たちがアカギレだらけなのを見て驚き、肌荒れにはヘチマ水くらいしかなく日本中の女性が苦しんでいることを知りました。
そこでグリセリンと日本酒を調合したベルツ水を考案。
誰もが簡単に作れるものにして普及させたのです。

ベルツは29年間の日本滞在で800人以上の弟子を育てた日本近代医学の父ですが、医学は人を助けるための医術であることを熱心に説き、自らもそれを実践していました。
大学の講義の合間を縫っては外来患者を受け付けて診察。
貧しい患者からお金を受け取ることはなかったそうです。

ベルツのそのようなヒューマニズムが見事に表れたのは、ハンセン病への対応。
明治18年に発表した論文で、感染の危険性はさほどないと指摘し、ハンセン病で苦しむ人々を無慈悲にも家族の中から引きずり出し、社会の外へ追放してはならぬ、と強く抗議しました。

ベルツの訴えを受け入れて日本が隔離政策を廃止したのは、それから90年も経った平成8年のことです。