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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/5「ロケットを愛する町」

去年の夏、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から新型ロケット「イプシロン」が飛び立ちました。
このロケット基地が出来たのは昭和37年。
当時、大隅半島で陸の孤島といわれた旧内之浦町の山を切り開いて建設されました。

その道路工事が人手不足で困っていると聞いて、鍬やスコップを携えて駆けつけたのが、町の婦人会の女性たち。
基地の落成式でも、仕出し屋もない僻地だからと、彼女たちは出席者200人分の弁当を作りました。

その後も山道を歩いて差し入れを届けたり、下宿屋をやったりと、親身になって基地の職員の世話をします。
また、失敗続きの打上げ実験で税金の無駄遣いと世間から非難された際には、町の人たちは成功を願って神社にお百度参りしたり、千羽鶴を折って基地に届けたりして激励しています。

昭和45年に日本初の人工衛星が打ち上げられた時、その衛星は地元の町への感謝の気持ちとして「おおすみ」と命名されました。
それ以来、数多くの衛星打上げで輝かしい成果を上げてきた内之浦宇宙空間観測所は「世界一地元の町に愛されるロケット基地」といわれています。

次世代ロケットとして大きな期待が寄せられるイプシロンは、これからも地元の人たちと二人三脚で打ち上げられていくのです。