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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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12/1「日本初の映画スター」

きょう12月1日は映画の日。
明治29年に日本で初めて映画が一般公開されたことを記念する日です。
映画製作の始まりに合わせて映画俳優も誕生しますが、その中で日本最初の映画スターとなったのが尾上松之助です。

旅芸人から映画俳優となった彼は、明治42年から大正15年までの17年間に京都の撮影所で1000本以上の作品に主演。
スクリーンで大きく目を見開いて見得を切る彼の演技は大人気で、「目玉の松ちゃん」と全国のファンに親しまれました。

しかし一方では、文化人たちから
「松之助の映画は芸術性がなく下劣だ」と蔑まれました。
また、素顔の松之助は真面目で几帳面な人でしたが、それだけに金銭に細かく、徹底した質素倹約の生活。
周りからは「大スターで金持ちなのに、出す物は舌を出すのも嫌がるケチ松」と陰口を叩かれたりもしました。

でもじつは彼はその裏で、新聞を読んで災難に遇った人たちの記事を目にする度に、高額な義援金を送っていました。
また、京都で困窮している人たちのための公設住宅の建設や学校建設、赤十字社などへも巨額なお金をたびたび寄付。

それは、貧しい境遇に育った松之助が京都で映画スターとなったおかげで裕福になった、その恩返しだったのです。