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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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8/4「昭和20年8月6日生まれ」

東京オリンピックが開かれたのは昭和39年。
世界93カ国の選手団が集って国立競技場で始まった開会式のクライマックスは、聖火の点灯です。

ギリシャのオリンピアで灯された聖火が日本に運ばれ、10万人以上のランナーたちにリレーされて、東京に着きました。
その最終ランナーがトーチを手に高く掲げて国立競技場に姿を現し、聖火台への階段を軽やかに走り上っていきます。
聖火の最終ランナーは19歳の大学生・坂井義則さん。
彼は陸上の選手で、オリンピックの代表候補と目されていましたが、最終的には落選していました。

そんな彼が聖火の最終ランナーに選ばれたのには、二つの理由があります。
ひとつは、走りのフォームが際立って美しいこと。
そしてもうひとつの理由は彼の生年月日です。
坂井さんは広島県出身で昭和20年8月6日生まれ。
広島に原爆が落とされた、その日に生まれた青年だったのです。

東京オリンピックは、戦争の悲劇から平和国家として復興した日本を世界に示す大会。そして核兵器のない世界平和をスポーツを通じて訴えるというテーマを掲げていました。

その願いを一身に背負って、坂井さんは、世界が見つめる中、最終ランナーとして聖火台に火を灯したのです。