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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/21「新婚旅行ブームの宮崎駅」

九州の宮崎は、昭和35年から40年代にかけて新婚旅行のメッカで、多い年で37万組の新婚が宮崎に来ました。
当時は飛行機もいまほど普及してなかったため、交通手段は鉄道。
関西や関東から夜行列車に乗ってやって来る新婚さんたちを迎えるのが、宮崎駅の駅員です。

ある新婚夫婦が宮崎駅に着き、駅の案内所に立ち寄りました。
そこで観光バスのパンフレットを手にしてコースを検討する二人。
新婦が「私はこのコースがいいわ」と言えば、新郎は「俺はこのコースがいいな」と意見が合いません。
しばらく話し合いますが埒が明かず、ついには言い争いとなって、それぞれ別のコースに別れて行こうとしました。

そのやりとりを聞いてびっくりしたのは、案内所勤務の駅員。
「まあまあ、とにかく」と、二人を駅長室に招き入れ、駅長と二人して汗だくの仲裁をしたのです。
ようやく仲直りさせた夫婦を同じコースのバスに乗せて、ほっとしたという駅員さん。
新婚旅行のメッカだった宮崎駅の駅員は、列車だけではなく、新婚カップルの歩む人生の安心・安全を見守る仕事をしていたのです。

宮崎の新婚旅行ブームはもう昔のことですが、その懐かしい思い出を持つ多くの夫婦が、いま、フルムーン旅行で再び宮崎駅を訪れているそうです。