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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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12/25「年賀状の復活」

年賀状の無いお正月。
自粛が呼び掛けられていた戦時中はそれが当たり前の風景でした。
終戦後も社会の混乱が続き、年賀状の復活は進みませんでしたが、
昭和24年にお年玉付き年賀葉書が登場して、年賀状は飛躍的な復活をとげます。
実は、お年玉くじ付きの年賀葉書という画期的なアイデアは、一人の男性が思いついたものでした。

当時、大阪で洋品雑貨の会社を経営していた林正治(はやし・まさじ)氏で、
見本の葉書や宣伝用のポスターを作り、お年玉の賞品まで考えて、郵政省に提案したのです。
これに対して、厳しい赤字に悩み、郵便利用を増やす呼び水として
年賀状の復活を考えていた郵政省も会議を開いて検討しますが、
満足に食べられない時代に、送った相手にくじが当たるなど、
そんなのんびりしたことができる状態ではないと、当初は反対意見が強かったといわれます。
しかし「こんな時代だからこそ夢が必要」と林氏のアイデアが採用され、
お年玉付きの年賀葉書が誕生することになったのです。

当時、新聞やラジオでは、戦争で離れ離れになった肉親や友人、
知人の消息を求める尋ね人の掲載や放送が盛んにおこなわれていました。
林氏は後に、「年賀状が復活すればお互いの消息がわかると思ったのが最初の発想です。」
と語っています。

人と人を結ぶ絆となった年賀状。
それから60年余り、間もなく訪れるお正月も沢山の絆が結ばれることでしょう。