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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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9/18 「正岡子規とベースボール」

明治23年夏。四国・松山での出来事です。

地元の中学生・キヨシ少年が空き地で仲間たちと夢中になっていたのは、
当時まだあまり知られていなかった「ベースボール」という球遊びでした。
そこに通りかかったのは、東京帰りの書生さんたち。
そのうちの一人がキヨシ少年に「おい、ちょっとお貸しの」と、バットとボールで軽くノックをやり始めました。
その書生さんは目も覚めるような鋭い打球を飛ばして見せました。

そのうち、一度ボールが書生さんの手元を外れてキヨシ少年の前に転がってきました。
キヨシ少年がそのボールを拾って投げ返すと、その書生さんは「失敬」と軽く言ってそのボールを受取りました。
その「失敬」というひとことが、なんとなく心を惹き付けるような声だったことを、キヨシ少年は印象深く覚えています。

このときのキヨシ少年とは、後の高浜虚子。
そして彼の目の前で素晴らしいバッティングを披露した書生さんこそ、正岡子規。
二人は俳句の世界で師弟関係を結びますが、その出会いはベースボール・野球でした。

明治を代表する文学者としてあまりにも有名な正岡子規ですが、
じつはそれ以上に野球が大好きで、野球に関係のある句や歌を多数残しています。
現在の「直球」「死球」「打者」「走者」などの野球用語は、大部分が子規の和訳によるもの。
日本に野球を広めた功績から、野球殿堂入りもしているのです。

草茂みベースボールの道白し 正岡子規

明日、9月19日は正岡子規の命日で、彼を偲ぶ記念の句会が全国各地で催されます。