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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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7/24「女性医師の誕生」

1849年、アメリカ。
世界で初めて、専門教育を受けた女性医師が誕生しました。

彼女の名前はエリザベス・ブラックウェル。
仲良しの友だちを病気で亡くした悲しみから、医者になることを決意します。
しかし、当時の社会常識では、医者の仕事を女性がするなど、とんでもないことだと考えられていました。
彼女を受け入れてくれる医学校などありません。

そこで彼女は、医学書を読みあさったり、知り合いの医者に頼み込んで、
治療や解剖の現場を見学して、独学で医学の基礎知識を学んでいったのです。
そんな彼女の熱意に打たれた一人の医学博士が、
ようやくニューヨークの医科大学に彼女の入学を推薦してくれました。

入学後は良い成績で学業をこなし、主席で卒業。
その後、研修として外科を学ぶためにパリへ行きますが、
ヨーロッパでも女性の医師は認めてもらえず、やっと受け入れてくれたのは産婦人科病院。
それも助産婦という扱いでした。

さまざまな差別や困難の中、それでも彼女は医学の研究を貫き通します。
そして帰国後、彼女はニューヨークの貧民街で経済的に恵まれていない女性と子供のための診療所を設けました。
それが軌道に乗ると、女子学生のための医学校も設立しました。

彼女は自分の後に続く女子学生たちにいつも語っていました。
「本当の医師は、女性ならば、自然にもっている優しさ、思いやり、人を守る心がけをもたなければなりません。
患者さんは人であって、個々の病気の症例ではないのです。そのことを忘れてはいけません」
1910年、エリザベス・ブラックウェルは89歳の生涯を閉じました。
それから100年。
医師をめざす女性は世界中で数えきれないほどいます。