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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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3/20「ワシントンに咲くサクラ」

日本にサクラの季節が訪れるころ、アメリカの首都・ワシントンでも盛大にサクラ祭りが開かれます。
実は、ホワイトハウスの近く、ポトマック河畔には、日本から持ち込まれたサクラ並木があるのです。
この日米のサクラの架け橋となったのは、エリザ・シドモアという一人のアメリカ人女性です。

新聞社の特派員として28歳の彼女が初めて日本の土を踏んだのは明治17年。
以降、20年間にわたって人力車で日本各地を駆け巡り、紀行文を書きました。
当時、多くの欧米人が日本に来ていますが、
その大半は、日本の文化より西欧文化のほうが優れているという意識をもっていました。

ところがシドモアはむしろ、日本こそ欧米が学ぶべき理想の国だと考えるほど、日本と日本人を愛しました。
日本の自然の美しさ、料理の美味しさ、店で受けたサービスの細やかさ、
四季折々のお祭りのすばらしさ等々、彼女が出版した『シドモア日本紀行』には、
明治時代の日本の風俗や人々の姿がいきいきと描かれています。

とりわけ彼女が心惹かれたのが、サクラ。サクラの花の美しさもさることながら、
満開のサクラの下で花見を楽しむ日本人の奥ゆかしい陽気さや親愛の情に感激し、
彼女はアメリカ人にもこの楽しさを教えたいと思いました。
彼女の熱い想いはやがて日米の政府関係者を動かし、
明治42年、友好のサクラの苗木2000本が日本からアメリカへ送られたのです。

それから100年。エリザ・シドモアはいま、横浜の外国人墓地で眠っています。
そして、その墓のそばには、ポトマック河畔から日本に里帰りした
4本のサクラの木が植えられ、毎年花を咲かせています。