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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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1/2「アトムの腕」

今から48年前??昭和38年の元旦、日本で初めての国産テレビアニメが放送されました。
その番組とは、漫画家・手塚治虫の手による「鉄腕アトム」。
人間と同じ心をもったロボット「アトム」が活躍する、21世紀の夢の物語です。

この番組は30%を超える人気を博し、その後、世界各地でも放映されました。
このアトムを見て育った当時の子どもたちは、ロボットが人間と仲良く暮らす21世紀の未来に強い憧れを抱きました。
その中には、「アトム」がきっかけとなってロボットの研究を志す者も多く、
現在の日本の高度なロボット技術力には、この作品の貢献が大きいともいえます。

千葉県に住む7歳のミクちゃんは、生まれつき右手の手首から先がない障害を抱えていますが、
不自由な手で折り紙を器用に作ったりする元気な少女です。
そんな彼女の右手に最近、人工の腕が取り付けられました。
かつての義手といえば、外見上、腕があるように見せるだけのもの。
しかし、アトム世代の研究者や技術者たちが開発した最新の義手は、
人間の手とまったく同じ動きができるロボットなのです。

この「アトムの腕」を身につけたミクちゃんが最初にしたのは、
1本1本の指を動かしてグー、チョキ、パーの形を作ってみせたこと。
大喜びした彼女は、握る、離す、手首を回すといった動きの訓練を一生懸命して、
ついに学校の給食でお茶碗を自分で持って食べるという、ずっと夢見ていたことに成功したのです。
そして今、彼女は次の夢??大好きなピアノを自在に弾くことに挑戦しているそうです。

21世紀になって今年で12年目。
人間とロボットが仲良く暮らす「アトム」の夢は、今このような形で実現しているのです。