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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/21「少女が遺した家族へのメモ」

アメリカのシカゴに住む5歳の女の子・エレナちゃんが「びまん性グリオーマ」と診断されたのはいまから4年前。
これは、アメリカで年間200〜300人の子どもに発症する悪性の脳腫瘍で、
言葉が話せなくなる、歩行が困難になるなどの症状が出ます。

エレナちゃんの余命は4カ月半。
両親は本人に病状を一切伝えず、残された時間を妹のグレイシーちゃんと家族4人で大切に過ごす決心をしました。
それからおよそ10カ月後、エレナちゃんはわずか6歳で短い生涯を閉じます。
悲しみに暮れていた両親ですが、思いもよらないところから、エレナちゃんのメッセージを受け取ります。

それは、引き出しから出てきた一枚のメモでした。
言葉が話せなくなっていたエレナちゃんは、その紙に両親と妹の絵を描いて、「パパ、ママ、グレイシー大好き」と自分の想いを綴っていたのです。
しかも驚くことにメモは一枚だけではなく、本のすき間や衣装ケース、ドレッサー、クリスマスグッズの箱の中など、家中のあちこちから発見され、なかには、おじいちゃんやおばあちゃん、おばさんが飼っていた犬に宛てたものまでありました。

誰にも内緒で隠し続けたメモは数百枚にものぼり、いまでも時々、家のどこかから見つかることがあるそうです。
父親のキースさんは、「最後の一枚を見つけるのが辛いから、一つだけは開封せずに大切にしまってある」と語ります。

まるで自分の運命を知っていたかのように、自分の愛する人たちに感謝のメッセージを記したエレナちゃん。
彼女のメモは両親の闘病日記とともに出版され、本の売上げはすべてアメリカの小児がん基金に寄付されるそうです。