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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/18「進化するリヤカー」

きょう、4月18日は発明の日です。
大きな荷台に車輪をつけて重たい荷物を運ぶリヤカーは、大正時代に日本で発明されたものですが、
このリヤカーを現在も作り続けているのが、東京にある「ムラマツ車輌」です。

リヤカーは昭和初期から物流を支える柱として活躍していきました。
しかし、やがて自動車が普及していくと、その需要は減っていき、多くのメーカーが撤退していきました。
それでも「ムラマツ車輛」の村松社長はわずかな需要に応えるためにリヤカーを作り続け、
また、パイプの溶接技術を向上させて、ボルトを一本も使わない頑丈なリヤカーをつくることに成功しました。

その強度を証明したのは、ゴルフバッグを運ぶカートです。
あるゴルフ場ではあまりの丈夫さに驚き、すべてのカートをムラマツ車輌の製品に取り替えることにしました。
ムラマツ車輌の工場はいつもオープンになっています。
ある時は、誰かがふと立ち寄って「こんなカート、作れないかなあ」と相談したのをきっかけに、社長が改良を加えました。
そうしたやり取りの中で新製品が開発されることもあります。

ひと回り小さなリヤカーを自転車で引っ張るアイデアも、
宅配業者の社員が相談に訪れたことから始まり、いまでは全国の支店から注文が殺到しています。
また、依頼者の願いを叶えたい一心で、
年老いて歩けなくなった犬を乗せて散歩に連れていけるカートを作ったこともあります。

村松社長は「職人の腕は年を追うごとに熟練していくから」という理由で定年制度を廃止し、
次の世代に技術を伝えることにも力を入れています。
ムラマツ車輌のリヤカーとカートは、荷物だけでなく、みんなの希望や産業の未来も運んでいるのです。