2/21「パピープロジェクト」
日本には、現在およそ1,000頭の盲導犬がいます。
それでも盲導犬の数は不足していて、そんな状況を改善するために
日本が昨年初めて導入したのが「パピープロジェクト」です。
これは、子犬のころからある程度大きくなるまで、刑務所の中で暮らす受刑者たちに犬の世話をしてもらうシステムです。
アメリカでは28年前から導入されていますが、パピープロジェクトに参加した受刑者は、再び犯行に走る確率が少ないことや、
また犬にとっても、盲導犬になる最終テストの合格率が1〜2割高いという成果が報告されています。
パピープロジェクトの第1期は、島根県浜田市の刑務所で行われました。
3頭の盲導犬候補の子犬を預かり、担当の受刑者は各々自分たちの居室に犬のケージを置いて、
餌やりや散歩、しつけなどをしながら愛情を注ぎました。
預かった当初はおよそ5キロだった子犬も、9か月間で30キロに成長。
受刑者たちは、子犬の成長を見守ることで「慈しみや他人を許す心を学んだ」と話しています。
パピープロジェクトを修了した犬は、再び日本盲導犬協会の元に戻って、盲導犬になるための本格的な訓練を受けます。
刑務所で行われた修了式では、世話をした受刑者が「立派な盲導犬になれよ」と犬の頭をなでながら、涙を浮かべて別れを惜しんでいました。
彼らは、やがて立派に活躍する犬たちの姿を心に描きながら、「二度と犯罪を起こさないよう更正します」と自分自身にも固く誓っていたそうです。
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