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提供:創価学会
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11/2「宇宙犬ライカの思い出」

1957年11月3日。
旧ソ連が人工衛星・スプートニク2号の打ち上げに成功し、その宇宙船の中にライカという犬が乗っているというニュースに、世界中がびっくりしました。
50年代当時は、無人ロケットを大気圏外まで飛ばすのが精一杯で、やっとソ連が地球の周回軌道に乗ることに成功したばかり。
つまり、ライカという犬は、このとき世界で初めて宇宙空間に出た生きものだったのです。

このニュースを知った当時の多くの子どもたちが、宇宙服を着た犬が宇宙船を操縦する姿を想像して、宇宙旅行への夢をかき立てられたことでしょう。
しかし、このときは宇宙船が再び地球に帰ってくる技術はまだ確立されてなく、ライカを生きたまま帰還させることは不可能でした。
そこで、打ち上げて6日目の餌にあらかじめ睡眠薬が混ぜられていて、ライカは宇宙で安楽死したと発表されました。

ところが最近になって、スプートニク2号の船内はかなりの高温になっていたため、ライカは打ち上げて数時間で死んだらしいことが明らかになりました。
いずれにしても、宇宙旅行をした犬・ライカは、次のステップ、つまり人間が宇宙に行くための動物実験として使われ、犠牲でもあったのです。

日本初の宇宙飛行士となった毛利衛(まもる)さんが、語っています。
「私はこの犬のことが、50年たったいまでも妙に気にかかっている。
いつの時点で死んだのだろうか。
苦しんだのだろうか。
窓から丸い地球を見ることができたのだろうか。
死んだとはいえ、最初の地球生命として、宇宙に行けたのは幸運だった。
そして地球の大気で火葬にふされた最初の生物でもあった。
燃えて気体となった体は、地球上空を今でも漂っていることだろう」

今、世界のあちこちから宇宙へ向けて有人飛行は行われています。
そこには1匹の犬・ライカの大きな存在があったことを忘れることはできま