9/7「棚田を守る」
四季折々に美しい風景を織りなす「棚田」。
山の傾斜を利用して作物を育てようと、先人の知恵と苦労によって開発されましたが、近年では農家の高齢化や後継者問題が深刻化し、全国各地でオーナー制度を採用する動きが進んでいます。
福岡県うきは市の「つづら棚田」もそのひとつ。
オーナーは年会費を支払って棚田の一区画を借り受け、5月の田植えから田んぼ仕事を体験し、秋には自分で収穫したお米を受け取ります。
それだけではありません。
農家の人々と一緒に、ちまき作りを体験したり、お米と一緒にうきは市特産のフルーツを送ってもらったり、地域ならではの恵みも味わうことができます。
今年は都会から92組の参加者があり、幼い頃の体験を懐かしむ熟年ご夫婦や、初めての農作業に大はしゃぎの子供たちの姿も見られました。
来週末はいよいよ待ちに待った収穫祭。
つづら棚田は黄金色(こがねいろ)の稲穂を刈り入れた後も、真っ赤な彼岸花が一面に咲き誇ることでも有名で、今月19日から23日まで開催される「彼岸花めぐり」には、たくさんの観光客が訪れます。
また、オーナー制度を取り入れた棚田農家の人々も、毎年、孫みたいな子供たちが訪れたり、新米を口にした時の感動の声が届いたりすることで、来年もがんばろうという活力が湧いてくることが何よりうれしい、と口を揃えます。
こうした取り組みは、全国棚田サミットで報告され、農家の人々の貴重な情報交換の場にもなっています。
サミットは毎年、日本棚田百選に選ばれた町による持ち回りで開催。
今年のメイン会場となるのは、長崎市と雲仙市です。
|