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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/6 放送分 「初めてのオリンピック」

きょう4月6日は、1896年に初めて近代オリンピックが開かれた日です。
1世紀以上前に行われた第1回オリンピック・アテネ大会は、どんな様子だったのでしょう。

参加したのは14か国から241人の選手。実施されたのは8競技43種目という小規模なものでした。
今のように世界中に組織委員会があるわけではなく、参加選手の募集告知は、もっぱら新聞記事や大学の掲示板。そのため、選手の多くはアテネの住民やギリシャアに来ていた旅行者だったりしました。例えば、テニスで2種目に優勝したのは、たまたまアテネに遊びに来て初めてオリンピックのことを聞いたイギリス人。すぐにテニス用具はそろえたものの、シューズだけが調達できず、革靴で試合に臨んだそうです。
競技自体もまだ統一された規定があるわけではなく、水泳はプールではなく、近くの海が会場。海が荒れて中止になった種目もありました。
また、マラソンではまだ給水所などなく、地元ギリシャの選手は、レース途中でレストランに入ってワインを飲んで水分補給しながら、優勝しています。

なかでも興味深いのは、テニスのダブルスで、イギリスとドイツの選手がペアを組んで優勝したこと。現代のオリンピックでは考えられませんが、当時のオリンピックは国別参加ではなく個人参加だったのです。
しかし実は、現在でもこの原則は生きています。
オリンピック憲章には、オリンピックは個人やチームの間で競われるもので、国対抗で競われるものではない、と謳われているのです。
このため、オリンピックには、この夏北京で開かれる大会にも、公式の国別成績表はありません。
オリンピックの究極の目的は、スポーツを通じて国際親善の場を創ることなのです。