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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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4/20 放送分 「スーパースターの愛犬」

昭和9年4月21日、東京・渋谷駅前に忠犬ハチ公の像が建てられました。
飼い主が亡くなった後もずっとご主人さまを迎えに渋谷駅に通い続ける秋田犬「ハチ」のことが新聞に紹介され、飼い主を慕うその一途な姿が全国に深い感銘を与え、ついには銅像が建てられたのです。

と同時に、秋田犬を飼う人が増えていきました。
秋田犬は古くから東北の一部で狩猟犬として飼われていましたが、
忠犬ハチ公の一件で、勇敢で優しく、飼い主への愛情が深い犬だということが全国に知られていったのです。
もちろん、それ以上に気だてがよく飼いやすい犬もいて、現在は数の上ではそのような西洋の犬のほうが、人気があります。
それでも、日本の純粋な血統種である秋田犬の醸し出す和みは、
日本人の心情に通じるところがあり、それが飼い主の心を癒してくれるそうです。

ところが、日本の愛犬家以上に秋田犬を愛する外国人がいました。
その一人は、ヘレン・ケラー。
昭和12年に来日した彼女は1頭の秋田犬をプレゼントされ、アメリカに連れ帰ります。
やがてその犬が病気で息を引き取ると、その後彼女は別の犬を飼おうとはせず、
2年後に再び秋田犬を贈られ、心から喜んだそうです。
そしてもう一人は、世界的なスーパースターであるスティービー・ワンダー。
彼にもまた子犬のころから慈しんだ秋田犬がいました。
そしてその犬が老衰で死んだとき、再び犬を飼うなら秋田犬だと、
7年前にわざわざ日本の秋田に出向いて子犬を譲り受けています。

ヘレン・ケラーとスティービー・ワンダー。二人とも盲目の宿命を背負った人です。
だからこそ、秋田犬だけがもつ何か目に見えない魅力を、心の目で感じ取っているのかもしれません。