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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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11/18 放送分 「奇跡のブドウからワインへ」

宮崎県児湯郡都農町。日向灘に面した町に、昭和の初め、永友百二(ひゃくじ)という18歳の若者が、雨の多い宮崎では不可能と言われた果物の栽培に取り組みました。

彼は、雑木林を切り開き、苗を育て、家の周りの田んぼにもナシの苗を植えました。「田んぼに木を植えるなんて」と周囲から非難されながらも、彼は研究に研究を重ね、ついにナシの栽培に成功します。

戦後になると彼は再び新しい取り組みを始めます。それはブドウの栽培。雨が多い土地で、ブドウは絶対出来ないのは、当時の常識でした。それでも彼は、この町の土地や気候に合った栽培法を試行錯誤しながら工夫していきます。そんな彼の情熱に突き動かされ、次第に仲間の農家が増えていきました。
雨や台風、塩害、病気と戦いながら、昭和43年には都農町ぶどう協議会が発足。その後も永友たちは新しい品種の開拓に情熱を傾け、ついに昭和55年、「尾鈴」「日向」というふたつの新しい品種を誕生させたのです。
1本の苗から宮崎の小さな町に奇跡のブドウを実らせた伝説の人・永友百二。ひとりの夢がみんなの夢に広がりました。

その先人たちの夢が、いま、次の世代に受け継がれています。
平成5年に誕生した都農ワイナリー。町役場や地元の企業、有志らが出資する第三セクターのワイナリーです。
みんなの思いは一つ。先人たちの夢の結晶である地元産のブドウだけを使って、この町ならではの風味豊かなワインを造ることです。

今年もボジョレーヌーボーが解禁。日本でも気軽にフランスワインの新酒を味わうことができますが、九州ではそんな本場ワインに負けない国産ワインが育っています。