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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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9/23 放送分 「お月見の団子泥棒?!」

明後日、25日は十五夜、中秋の名月です。
全国各地で観月会が行われたり、ススキやお団子を供えてお月見する家庭も多いことでしょう。

地方によって月見の行事には、さまざまな風習の違いがあります。
たとえば鹿児島の離島や沖縄では、町中の人たちが満月の下に集まって、大掛かりな綱引きをする地域があります。
また、お供えした団子や芋を近所の子どもたちがもらって歩いたりする、まるでハロウィンのような風習が九州・沖縄でも各地に残っています。

この風習をもっとエスカレートさせたものが、「お月見の団子泥棒」。軒先や玄関先、縁側に置かれた団子を、子どもたちが盗んで回るのです。
もちろん、このことはどこの家の人も予め知っていて、見ても見ぬふり。
多く盗まれるほうが縁起がよい、というわけで、美味しい団子をせっせとこしらえていたようです。
子どもたちにとっては待ち遠しい行事のひとつ。ごちそうをたくさん食べたいという願望と、いかにうまく供えものを盗むかという遊び感覚の楽しさがあったのです。
とはいえ、待ちきれない子どもが明るいうちから盗もうとすると、「そんなに早く来たらお月さんが食べる暇がないだろ」などと叱ったそうです。
いずれにしても、なんと町中が楽しくなるお月見でしょう。

残念ですが、いまなおこの風習を残す地域はありません。
でも、あなたのお父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃんに聞いてみてください。
ひょっとしたら子どもの頃に「お月見の団子泥棒」だった方がいるかもしれません。