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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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8/6放送分 「広島の路面電車」

公共交通として最近、環境にやさしい路面電車が見直されています。
九州では長崎をはじめ、熊本、鹿児島で元気に路面電車が走っていますが、
今日は広島のお話です。

広島の路面電車は大正時代から現在まで休みなく走っていますが、たった一度だけ電車が止まってしまう事件がありました。
それは、61年前のきょう:8月6日。長崎に続いて広島に原爆が落とされた日です。

午前8時15分。ちょうど朝のラッシュ時で、満員の乗客を乗せた70両の電車が広島市内を走っていました。その多くの人が一瞬の閃光で、電車に乗ったまま亡くなったのです。当時は戦争で男手が少なく、女学生が運転士や車掌として乗務していたため、ひときわ女性の犠牲者が多かったのも特徴です。
焦土となった広島の町。一命を取り留めた人たちもまた肉親や仲間を失い、生きる力さえ無くしていました。
「生き残った広島市民を勇気づけるには、まず電車を動かすことだ!」
焼け出された鉄道会社の社員たちは、壊れた社屋から逃れて電車の中に本部を置き、その日の夜から包帯姿で不眠不休の復旧作業を始めたのです。
3日後、被災を免れた3両の電車が運転を再開しました。
町中に張り巡らされた路線のうちのホンの一部の区間。でも、何もかもが死に絶えた廃墟の中でゴトンと動き出した電車は、絶望のどん底にあった人々にとって、希望そのものだったのです。

それから61年の歳月。広島の人たちは路面電車を降りる時に、ほとんどの人が運転士に「ありがとう」と声をかけます。
それは、被爆後3日でいち早く運行再開を果たした路面電車への感謝の気持ちが、いまも続いているからだ、といわれています。

【訂正:8/23】
8月6日放送分に間違いがありました。
広島原爆の日は8月6日、長崎原爆の日は8月9日です。
大変申し訳ありません。
ご指摘頂いた司馬さま、番組をおききの皆様、ブログをご覧頂いた皆様、
そして、広島、長崎の被爆に苦しんでいらっしゃる方々に、深くお詫び申し上げます。
また、対応が遅くなってしまったことも改めてお詫び致します。
大変申し訳ありませんでした。
これからも、正しい情報で、心あたたまる番組制作に励んで参ります。
今後とも、よろしくお願いいたします。ご指摘、ありがとうございました。