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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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6/18放送分 「ペーパームーン」

その男は詐欺師。あるとき、知り合いの女性の葬儀に参列したことから、孤児になった彼女の9歳の一人娘を、叔母さんの家まで送り届けることになりました。でも実際は、少女をだしに使って、交通事故で母親を死なせた加害者からお金を脅し取ることが目的。それでちゃっかり自分のクルマを買ってしまいます。まんまとクルマをせしめると、「さあ、もう小娘に用はない」とばかりに、少女を一人汽車に乗せて叔母さんの家に送り付けようとします。ところが少女は「私のお金を返して。それまであんたから離れないからね」と迫ります。
そこで始まった二人の旅。男はなんとか少女を捨てようとしますが、彼女のほうは行く先々で男より詐欺の才能を発揮。男に詐欺を働かせ、年が離れた二人は「偽の父と娘」に成りすましました。そして詐欺の名コンビとして旅を続けたのです。やがて、そんな二人の間に、何ともいえない温かい気持ちが芽生えてきます。ニセ親子の旅は、少女の叔母さんの家にたどり着いたところで終わりを迎えますが、そこで当の二人も予想をしなかった感動的なラストシーンが待っていました・・・・。

この話は、1973年製作の映画『ペーパームーン』。
この映画で少女を演じたのはテイタム・オニール。そして彼女のニセの父親を演じたのが、ライアン・オニール。つまりテイタム・オニールは、実の父親を相手に、ニセの娘という役を演じたのです。

紙で作った月でも時として本物以上に輝くように、実の親子以上に温かいニセ親子を描いた映画『ペーパームーン』・・・・。
そのあどけなさで素晴らしい表現をした10歳のテイタム・オニールにオスカー賞が贈られましたが、それは実の父親を相手に演じたからこそ成し得たのかもしれません。
彼女がそのオスカー像を真っ先に手渡した相手は、もちろん父・ライアン・オニールでした。

お父さんに感謝・・・・・。 きょうは「父の日」です。