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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
(4/10放送分 お子様ランチ)→

4/3放送分 1本の木

2004年ノーベル平和賞受賞者、ケニアのワンガリ・マータイさん64歳。
ケニアの農家に生まれ、生物学者を志し、アメリカ留学を経て、1971年ケニアのナイロビ大学で東アフリカ出身の女性として初めて博士号をとりました。
今からおよそ30年前、ケニアの国土の30%をしめていた森林は、2%以下に減り、環境破壊が進んでいました。
そこで、マータイさんは、「国民1人が1本の苗木を植えよう」と呼びかけ、「グリーンベルト運動」をはじめました。
当時は、民衆を組織する危険な存在として何度も逮捕され、こん棒で殴られ、意識不明に陥ったこともあるそうです。
でもマータイさんは、「たった1人になっても、正しいことは正しい」と信念を貫き、心ある人たちと共に、この30年で3000万本の木を植えました。
その人々の中心となったのは女性。単なる自然保護運動だけでなく、植林を通して貧しい人たちの社会参加の意識を高め、女性の地位向上を含むケニアの社会の民主化に結びつけました。
2002年に圧倒的支持を受けて国会議員に就任。2003年にケニアの環境副大臣になりました。
そのマータイさんが、今年、京都議定書の発効に合わせて来日し、このような言葉を残しています。
「資源を効率的に利用する、<もったいない>という価値観が日本にあるのは素晴らしい。世界に広めたい」と・・・。
物のあふれる現代。
先人たちが言い続けてきた「捨てるのはもったいない」ということば・・。
たった一人の<もったいない>が、ごみを減らし、たった一人が植えた1本の木が、森をつくり、地球という大きな惑星を喜ばせるのかもしれません・・・・・。