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令和7年度全国発明表彰「WIPO賞」に金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)の鵜澤 潔所長ら。

学校法人金沢工業大学

発明技術の社会実装と船舶業界におけるネットゼロ・エミッションの達成に道を拓く

 【発明技術の社会実装と船舶業界におけるネットゼロ・エミッションの達成に道を拓く】
令和7年度全国発明表彰「WIPO賞」に
金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)の鵜澤 潔所長ら。
「風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明」で

公益社団法人発明協会(東京都港区)は令和7年度全国発明表彰の選考結果を発表し、「風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明」を行った金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)所長の鵜澤 潔教授と、(株)大内海洋コンサルタント代表取締役で金沢工業大学客員教授の大内 一之氏がWIPO 賞※に選考されました。

表彰式は7月1日(火)午後3時10分より The Okura Tokyo において正仁親王妃華子殿下ご臨席のもと挙行されます。

※WIPOは、国際的な知的財産権(IP)制度の発展を担当する国連の専門機関でWorld Intellectual Property Organization(世界知的所有権機関)の略称

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WIPO賞を受賞した金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)所長の鵜澤 潔教授

 
風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明の概要

【背景】
2013年以降に建造された船舶は、船舶のエネルギー効率設計指標(EEDI)に関する規制を受け、温室効果ガスの排出量削減が義務付けられてきました。2016 年にパリ協定が発効し、脱炭素化の世界的な機運が高まる中、今後、需要拡大が見込まれる国際海運分野でも、更なる温室効果ガス(GHG)の排出削減が喫緊の課題となりました。
2023年7月には、国際海事機関(IMO)において、国際海運分野からのGHG排出量削減目標の見直しを行い、2030年に半減させ、2050年にゼロとすることを目指す「GHG削減戦略」採択されました。

【大型の硬翼帆を搭載した風力が主推進力の船舶の開発へ】
鵜澤教授らはこうした世界の動向に先駆けて、再生可能エネルギーなどを用いた省エネ船舶技術開発の必要性を感じ、10年以内で実現可能な技術として、大型帆を搭載した風力が主推進力の船舶の開発に2009年10月から着手しました。

「ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)計画」と呼ばれた当プロジェクトの一番の特長は硬翼帆の採用であり、株式会社商船三井が中心となり搭載船の建造と運用が遂行されました。

[硬翼帆の特徴]
●構造が簡単。マストと帆構造のみで、船への搭載設計が容易
●大面積。高さ 60m, 幅 15m。複合材料を用いた軽量構造化
●伸縮、旋回機構により、風速、風向に対して最適高さ、迎角自動制御

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硬翼帆の構造設計検討と実証試験機の製作を2009年10月から着手

鵜澤教授らは、世界でも前例のない上下伸縮式硬翼帆の発明とその基本機構の考案について研究を進めました。硬翼帆に搭載するFRPパネルは、効率良く低コストで製造するため連続成形技術を用いることを検討、さらにFRPパネルを搭載した硬翼帆の性能評価を行い、実船建造に向けた基礎技術の構築を行いました。

株式会社商船三井は2022年10月に世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載石炭輸送船 「松風丸」(しょうふうまる)を竣工。以後、約18か月間、東北電力株式会社向けの専用船として、主にオーストラリアやインドネシア、北米等から日本向けの往復計7航海の石炭輸送に従事し、実航海でウインドチャレンジャーの性能検証を実施。その結果、ウインドチャレンジャー帆が稼働している状態において一日で最大17%、1航海の平均では、竣工前の想定通り5%~8%の燃料節減効果があることが確認されました。

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 帆を稼働して航海中のウインドチャレンジャー搭載石炭船「松風丸」(写真提供:商船三井)

2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標に掲げる株式会社商船三井では、ウインドチャレンジャー搭載船を2030年までに25隻、2035年までに80隻投入することを計画しています。

この度、WIPO 賞受賞は、発明技術の社会実装と船舶業界におけるネットゼロ・エミッションの達成に道をひたいた点が大きく評価されました。

【関連ページ】
世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載
石炭輸送船「松風丸」で最大17%の燃料節減を達成
商船三井 プレスリリース 2024年05月15日
https://www.mol.co.jp/pr/2024/24064.html

金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)
https://www.icc-kit.jp/


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実証機写真_背景処理


松風丸


プレスリリースURL

https://kyodonewsprwire.jp/release/202505279540

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