FM 福岡 FUKUOKA

共同通信PRワイヤー KYODO NEWS PR WIRE

EY Japan、ツーリズムにおける高付加価値化に関する最新レポートを発表

EY Japan株式会社

■高付加価値化に向けての大きなトレンドとして、ウェルネスと伝統産業・歴史文化が日本の強みを生かせる領域
■ 高付加価値化は単に値段を上げるコンテンツではなく、コンテンツの本質を深掘り、他の地域にはない唯一無二性をいかに発揮するかがポイント
■ 「コンテンツ」から「ヒト」起点で価値創造のプロセスを構築することで、あらゆるプレーヤーが高付加価値に参加可能となり、これまでとは発想の異なる、新産業の創出につなげることが重要

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、ツーリズム産業における高付加価値化に関する最新の調査レポート「ツーリズムにおける高付加価値化は何をもたらすのか?」を発表しました。本レポートは、高付加価値旅行者の動向とその影響について分析するとともに、ツーリズム産業の新たな発展と地域経済への好循環を目指して考察しています。

<レポートの概要>
2024年はツーリズム産業にとって歴史的な好況を迎えました。日本政府観光局(JNTO)のデータによれば、訪日旅行者数は過去最高の36,869,900人に達し、消費額も8兆1,395億円を記録しました。また、日本人の国内旅行消費額も過去最高の25兆1,175億円に達しました。しかし、急激な旅行需要の回復に伴い、地域によっては、オーバーツーリズムが問題として顕在化し始めており、「量」から「質」への転換が急務になっています。その一つの方向性として、「高付加価値化」が重要な取り組みとなっています。

世界の富裕層の状況
個人資産額100万米ドル以上の人を富裕層として定義し、世界の富裕層の分布状況を見てみると、資産3,000万米ドル以上のUHNW(Ultra High Net Worth)の人口は、資産100万米ドル以上の富裕層全体の1.2%とごく一部ですが、その総資産は全体の32.4%を占めるほど巨額の富が集中しています 。地域分布では、北米が最大の市場で、次いで欧州、アジアとなっています。日本に渡航者が多いアジアも、富裕層が多いことが確認できます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O8-4mp1b9uV
高付加価値旅行者の定義と訪日高付加価値旅行者の状況
日本政府観光局(JNTO)は、訪日旅行1回あたりの総消費額が1人100万円以上の旅行者を「高付加価値旅行者」と定義しています。2019年のデータによると、訪日インバウンドの平均消費単価は60千円ですが、300万円以上消費した旅行者(Tier1)の平均消費単価は6,313千円に達しています。現在は円安の影響で、消費額はさらに高額になっていると考えられます。国籍別では、中国が圧倒的に多く、次いで香港、シンガポール、タイ、米国からの旅行者が多くなっています。消費の内訳を見ると、貴金属・時計や百貨店、衣服ブランドメーカーが上位を占めていますが、Tier1ではアートなどの地域製品も含まれています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O2-KT3ctHVi

高付加価値旅行者の消費状況は「モノ」が中心ですが、地域が潤うためには「地域の“モノ”や“体験”への転換」が重要です。高付加価値旅行者といっても、捉える角度によりその実態は大きく異なります。そのため、どの層をターゲットに誘客を仕掛けるかをきちんと見極める必要があります。高付加価値旅行者の消費トレンドが「モノ」から「体験」へと移行しつつある*1ため、その機運を捉えることが必要です。
*1 Bain&Company “Luxury in Transition: Securing Future Growth”

高付加価値化へのアプローチ
① ウェルネスへの意識の高まり
パンデミックを契機に、肉体的・精神的な健康をケアするウェルネスへの関心が高まっています。特に富裕層など高付加価値なものを好む層で、この傾向が顕著です*2 。
*2 Skift “The Wellness Travel Boom in 2024 and Beyond What You Need to Know”参照

ウェルネスツーリズムは2020~22年までの年平均成長率は36.2%、2022~27年では約17%が見込まれ、パンデミックを契機に、この分野へのトレンドシフトと市場規模の大きな可能性を示しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O3-5xM8t4VH

米国の例を見てもウェルネスツーリズムを好む旅行者は、一般的な旅行者の平均消費を大きく上回り、米国国内では175%増、インバウンドでは41%増となり、地域での消費拡大に寄与する可能性を秘めています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O4-JvdirP72

日本は高度な医療技術と「禅」に代表される精神性に訴えるウェルネスコンテンツを提供できるポテンシャルがあります。地方部には豊かな自然を活用したウェルネスコンテンツが多く存在し、これが高付加価値旅行者を魅了する要素となります。

② 伝統産業、歴史文化の活用
高付加価値化にあたっては、伝統産業や歴史・文化の価値を再評価し、新たな需要を創出することが重要です。伝統産業は需要の減少と担い手不足に直面しています。需要の減少や担い手不足は、負のサイクルを引き起こし、中間の部品や修理を担う人材も最終製品の需要の減少に伴い減少し、サプライチェーン自体の崩壊を招き、やがては、再現不可能となり、伝統産業そのものが消滅してしまう危機にひんしていると言えます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O5-39pR5S4r
新たな視点で価値を見いだすことで、再び注目を集める可能性があります。例えば、金継ぎの技法は富裕層に人気があり、その精神性が評価されています。インバウンド需要を契機に、伝統産業の価値を再認識し、若い世代が担い手として流入するきっかけになることが期待されます。

高付加価値化に向けて
高付加価値化に向けて、他の地域にはない、唯一無二のコンテンツへと進化・深化させるためには、地域古来の歴史や文化の背景ストーリーを付加することが重要です。コンテンツにひもづく背景情報を、実際に現場で視覚的に見ながら、その場で耳から情報がインプットされると、理解は格段に高まり、当該コンテンツへと引き込まれていく可能性が高まります。ガイドの役割も重要で、単に補足説明するだけでなく、さまざまな地域のコンテンツを束ねて高付加価値旅行者の意に沿うようなアレンジを加えることが求められます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O6-KIlW6cko

新産業創出に向けた視点の重要性
高付加価値化に取り組むということは、観光コンテンツの開発を超えて、地域の本質の深掘り、旅行者にとっての精神性の深掘りであり、全く新しい発想、思想を持った取り組みが求められています。これまで、作家やアーティスト、学芸員や研究者等の専門的な知識や取り組みを行っている人が、価値の提供に表に出てくることはそう多くはありませんでした。しかしながら、高付加価値化の文脈では、インスピレーション、気付きを与えることができるものは全て価値提供の対象となってきます。発想を大きく転換し、「どんな価値を提供できるか」を起点に考えていくことで、高付加価値なビジネスの創出が可能となり、あらゆるプレーヤーに参画するチャンスやビジネスチャンスがあると言えます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202504187639-O7-A2fc6rsU

本調査を担当したEYSC ストラテジック インパクト パートナー 平林 知高のコメント:
「インバウンド旅行者の急激な回復は、喜ばしい一方で、旅行者が過度に集中するオーバーツーリズムの問題も顕在化しつつあります。地域では「量」と「質」をどう組み合わせていくかが重要な課題となっています。高付加価値旅行者をいかにして地域に呼び込むか、それには、他の地域では再現できない唯一無二性を持つコンテンツに昇華させていく必要があります。マインドフルネスに代表される日本の精神性を具現化するウェルネス、伝統産業や文化に、いかにして新たな価値を付与できるかがポイントです。コンテンツを起点にするのではなく、「ヒト」を起点とすることで、価値提供の新たな道が切り開けるはずです。高付加価値化をこれまでとは異なるビジネスとして捉え、新たな産業創出の起爆剤となる取り組みに変えていくことが重要です」

レポートの全文は下記からダウンロードください。
https://www.ey.com/ja_jp/technical/library/report/2025/ey-japan-tourism-report-2025-04

 
〈EYについて〉
EYは、クライアント、EYのメンバー、社会、そして地球のために新たな価値を創出するとともに、資本市場における信頼を確立していくことで、より良い社会の構築を目指しています。 データ、AI、および先進テクノロジーの活用により、EYのチームはクライアントが確信を持って未来を形づくるための支援を行い、現在、そして未来における喫緊の課題への解決策を導き出します。 EYのチームの活動領域は、アシュアランス、コンサルティング、税務、ストラテジー、トランザクションの全領域にわたります。蓄積した業界の知見やグローバルに連携したさまざまな分野にわたるネットワーク、多様なエコシステムパートナーに支えられ、150以上の国と地域でサービスを提供しています。

All in to shape the future with confidence.

EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。

〈EYのコンサルティングサービスについて〉
EYのコンサルティングサービスは、人、テクノロジー、イノベーションの力でビジネスを変革し、より良い社会を構築していきます。私たちは、変革、すなわちトランスフォーメーションの領域で世界トップクラスのコンサルタントになることを目指しています。7万人を超えるEYのコンサルタントは、その多様性とスキルを生かして、人を中心に据え(humans@center)、迅速にテクノロジーを実用化し(technology@speed)、大規模にイノベーションを推進し(innovation@scale)、クライアントのトランスフォーメーションを支援します。これらの変革を推進することにより、人、クライアント、社会にとっての長期的価値を創造していきます。詳しくはey.com/ja_jp/consultingをご覧ください。
 








2023年:世界のUHNWの分布状況


プレスリリースURL

https://kyodonewsprwire.jp/release/202504187639

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。詳細は上記URLを参照下さい。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。