NTT西日本 ミュージック・サロン [salon]おすすめCD

2007年05月28日

THE WORLD/BENNIE K
フォーライフ  FLCF-4180  5月23日発売

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この番組のアルバム特集でも紹介しましたが、
BENNIE Kの新作「THE WORLD」が発売
されました。今回は、様々な国の民族音楽の
要素を取り入れての60分間世界旅行。いろんな
国の楽器の音色やリズムを取り入れていても、
本格的に民族音楽に接近しているわけじゃなく、
あくまで「フェイク感」を出しているところがカッコ
いい。

でも、その民族音楽色に気を取られていると
見落とす可能性があるが、YUKIの歌うメロディー
に潜む哀愁と、感情の放出量。CICOのラップの
バリエーションのつけ方と、キレのよさ。そんな
ところにも注目してほしい。

前作のタイトル「Japana-rhythm」は、ただの
タイトルではなく、「海外には海外の音楽が、日本
には日本の音楽がある。日本でだからこそ生まれる
音楽をやりたい」という彼女たちのスタンスを表す
ものでもある。つまり、「Japana-rhythm」では、
四季を題材に日本を内側から見つめ直し、「THE 
WORLD」では、様々な国を旅することで見つけた、
外側からの日本への新たな視点と愛着を表現した。
どちらも着地点が「日本」という点で、この「THE 
WORLD」のコンセプトは「Japana-rhythm」と
表裏一体といえる。表面上のコンセプトは違って
ても、BENNIE Kの核の部分は一貫してるのだ。
現時点での彼女たちの最高傑作でしょう。

                   (選曲担当:稲葉)

私事ですが…

2007年05月23日

黄色い花-Wedding Story-/竹仲絵里
コロムビア  COCA-51028   4/25発売

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ミュージックサロン 選曲担当の稲葉です。

以前、この番組のイベントにも出演してくれた
竹仲絵里さんのシングル「黄色い花」が先月
発売されてます。ワタクシがその曲のチラシ
にコメントを書かせていただいたのですが、
諸々の事情により、チラシに載らないことに
なったので、ここに載せてみたいと思います。
せっかく書いたからということで…。

実は、そのコメントは、200字程度で、という
依頼だったのですが、最初に書いたものは
もっと長かったんですね。それを削っていって
200字くらいにしたんですが、せっかくなので
元々のロング・バージョンを掲載してみます。

では、以下、本文です。


*********************

どんなに必要なものだって、あればあるほど
いいなんてことはなく、必要以上には要らな
いな、と感じる瞬間がある。言葉もそうだと
思う。例えば、親友や恋人の間では、殊更
に「親友」「恋人」という言葉は使わない。
第三者には必要だけども、当事者の間では
無くても平気なものだ。もし、当事者同士でも、
そういう言葉が必要ならば、それはまだ言葉
に頼らなくてはいけないくらいの関係だ、と
いうだけの話で…。

新曲「黄色い花」は、竹仲絵里が結婚する
友人に贈った曲だが、必要以上の言葉は
要らないという心持ちの上に書かれたような
気がしてならない。当の竹仲は「言葉になら
なかっただけ」というかもしれないが、それも、
気付かないうちに「必要最小限の言葉で充分」
という気持ちが働いたからかも。

言葉にする代わりに、歌を贈られた友達が、
黄色い花とともに育てるのは、「結婚後の新しい
自分」。竹仲絵里が育んだのは「他人の幸せを
祈れる寛大さ」。どれも日常の中で枯らさない
ようにするのは、大変だけど。

**********************

2007年05月18日

ここ1ヶ月くらいの間に、発売されたアルバムの中から、
オススメをピックアップします。


◆ポコマニア・ソングス/マックス・ロメオ
       ビクター  VICP-63777  5/9発売

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ダンスホールのようにデジタル化されたレゲエ、
生音のルーツ・レゲエ。ベテラン・レゲエ・シンガー
のマックス・ロメオの新作は、その両方の要素を、
人力演奏を中心に、自然にフワリと取り込んだ作品。
60歳を超えているのに、作曲センスとヴォーカルが
鋭さを失ってないところも凄い。レゲエのゆるやかな
高揚感に覚醒させられる。


◆サンディーズ・タヒチアン・パッションズ/サンディー
         ソニー  MHCL-1029  4/25発売

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ハワイアンに回帰していたサンディーが、タヒチを
テーマに、過去のハワイアン・アルバムの中の
タヒチ関連の曲を集めて、そこに新録を加えた
アルバム、といっても、純粋なタヒチアン曲集
ではなく、タヒチを基盤に環太平洋的な視点で
作られている。そのアプローチに感心しながらも、
どこか懐かしさを覚える。日本人って、自分たちが
アジアの一員ってことも、太平洋の一部だってこと
も忘れがちなんだな、と思ってしまうアルバム。
これからの季節に、ぜひ。


◆ジルデコ/Jill-Decoy association
ポニーキャニオン  PCCA-02436  4/18発売

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ジルデコイ・アソシエーションは、女性ヴォーカル、
ギター、ドラムスという3人編成。グループ名の
“デコイ(Decoy)”は囮(おとり)の意味で、聴き手
をおびき寄せる…つまり、ジャズやソウルを基盤
にしながらも、まだ様々な引き出しを隠してると
思わせて(実際、隠してるけど)、惹きつける。この
初アルバムを出した時点のジルデコが紡ぎ出すの
はそういうポップスだ。ま、平たく言えば、少し嘘を
ついている。でも、隠れて見えづらいものに想いを
巡らすようなロマンを導き出す嘘のことも「夢」と
呼べるはず。そう、ジルデコは「夢のある」グループ。
言葉にしてしまえば、くすぐったく響くけど、彼らの
音楽に対し「掴みどころがない」と、身もフタもない
言い方をするよりマシな気がする。

                   
                   (選曲担当:稲葉)

2006年ベストアルバム(洋楽篇)

2007年02月19日

前回に続き、遅ればせながら、ミュージックサロン選曲
担当の筆者が選ぶ昨年のベストアルバムをお送りします。

今回は、洋楽アルバムを10枚です。並びはアーティスト名
の50音順にしています。

【ライヴ・イン・アジス/イーザー・オーケストラ】

アメリカのジャズバンド、イーザー・オーケストラの
エチオピアでのライヴ盤。現地の伝説的ミュージシャン
もゲストに迎えて、北米のジャズミュージシャンの目と
技を通した、エチオピア音楽の不思議さと奥深さが
充満している。こんなに意義深い共演作って、めったに
ないのでは?


【テチャリ/オホス・デ・ブルッホ】

フラメンコを基盤にヒップホップやレゲエ、などの要素、
キューバやアフリカ音楽の色まで取り入れた、スペイン
のグループ。こういう雑食性の強い音楽での混ざり合い
は、化学反応みたいなもので、そこにいつもワクワクする
何かを感じるんだよね。


【ワンス・アゲイン/ジョン・レジェンド】

一聴すると無難なようで、実は筋の通った作品。ヒップ
ホップとの距離の取り方にも意志を感じる。もちろん
メロディーも良く、R&B/ソウルの作品に限れば、別格
といえるクオリティー。


【タイアード・オブ・ハンギング・アラウンド/ザ・ズートンズ】

ロックは黒人音楽に大きな恩恵を受けているってことを
現代的な形で表現しているロックバンドがどれだけいる
だろう?少ないことは間違いないが、その中でも、昨年
最もソウルフルで鮮やかな音を聴かせてくれたのが、
ズートンズ。先が楽しみだね、フフフ。


【私の運命線/センティ・トイ】

インドのナガランド出身、ニューヨーク在住の女性シンガー
ソングライターのデビュー作。様々な民族音楽の色を取り
入れていても、アコースティックな手触りのシンプルなサ
ウンドを展開していて、最終的にメロディアスなポップスに
着地していて素晴らしい。都会でしか生まれないハイ
ブリッドな音楽ともいえるかも。


【セント・エルスホエア/ナールズ・バークレイ】

邦楽の項でも書いたが、ヒップホップという形式から
どれだけカッコよく逸脱してるかが肝心だと思ってる
ような人にとって、これはある意味で痛快な1枚だろう。
スタイルを守ることに気を取られて小さくまとまっている
ヤツらに聴かせてやりたいアルバム。


【ライオット・シティ・ブルース/プライマル・スクリーム】

ミもフタもない言い方かもしれないが、ローリングストーンズ
のいろんな要素をコンピューターでランダムに組み合わせ
たら出来ちまったような感じ。それでも、ちゃんと血肉化され
てるし、イントロから熱気と芯のある音でワクワクさせてくれ
る。こういうヴァーチャル感も現代ロックのカッコよさの一つ
だと思う。


【3121/プリンス】

個人的に洋楽アルバムの中で、昨年最も聴いた回数が
多かったのが、これで…あの~、ただのファンなもので、
すいません(笑)。でもこれは、ここ10年の彼のアルバム
の中でも間違いなく傑作!


【パーカッション・マッドネス/ルイシート・キンテーロ】

パーカッションのトーンとリズムの正確さと生み出される
グルーヴに、こんなに感心した作品は久しぶりだった。
プログラミングがダメだと言うつもりは全然ないが、生の
グルーヴの格別さが味わえる。


【ゲーム・セオリー/ザ・ルーツ】

こちらも生演奏のグルーヴのカッコよさを教えてくれる
ヒップホップ・アルバム。今回はちょっとジャズ色が
強まっているが、ベテランの技は変わらず。


…と、まぁこんな感じで、やっと2006年の総括をやれた
ということで、ホッとしました。

もし、「良さそうだな」と興味を惹かれる作品があれば、
ぜひ買い物の参考にチェックしてみて下さい。

                     (選曲担当:稲葉)

2006年ベストアルバム(邦楽篇)

2007年02月19日

1月に発売されて、最近まで店頭に並んでいた(今も
並んでる?)雑誌の中には、「2006年ベストアルバム」
という記事を扱っているものがけっこうあって、「あ!
やっぱり昨年の総括をしておかないとスッキリしないな」
と思い立ったので、遅ればせながら、ミュージック
サロンの選曲担当の筆者が選ぶ昨年のベストアルバム
をお送りします。

もし、昨年買い損ねていて、「良さそうだな」と興味を
惹かれる作品があれば、オススメですので、ぜひ買い物
の参考にチェックしてみて下さい。

今回は、邦楽アルバムを10枚選びました。並びは
アーティスト名の50音順にしています。


【彼女/aiko】

これはaikoのキャリアの中では屈指の名作。曲がこれまで
以上に粒揃い。現時点までの自分の音楽の総まくりをサラッ
とやれちゃうカッコよさも漂う。「脂がのってる」とは、こういう
ことなんだな。


【First Message/絢香】

昨年の新人の中では、歌声が最も琴線に触れた人だ。ちょっと
力が入りすぎなところもあるが、「まぁ、それが若さというもの
だろう」と許せてしまう説得力を充分過ぎるほど持っている。
「歌謡曲っぽいメロディーでも意外と似合ったりして…」などと、
こちらに未来を期待させるところも器の大きさなのかも。


【夢助/忌野清志郎】

自分のルーツへの愛着を確認する作業が決して後ろ向き
じゃない、と主張しているかのような名作。やっぱ、自分の
立っている位置は時々確かめないとなぁ。


【Prayer/角松敏生】

25周年記念アルバムだったのだけど、こちらもキャリア
屈指の傑作。水門を開けたように、自分の音楽的なルーツ
を自然と放出していて、これがあれば、過去の角松作品は
聴かないかも、とまで一瞬思わせた作品。


【GALAXY/クレイジーケンバンド】

雑食性とやんちゃな感じが際立つ傑作。でも、剣さんの
メロディーつくりの上手さにも要注目。とにかく「最新作が
最高作」と実感させてくれる数少ないバンド。


【BEATNIKS/サムライトループス】

ヒップホップが様式化していると、つくづく思う昨今。「ヒップ
ホップの形式から、どれだけカッコよくハミ出しているか」を
優れているかどうかの判断基準にしているのだが、これは
カッコいい!B-BOY気取りのヤツにはピンとこないかも
しれないが。


【PARADE/スガシカオ】

これまでの「世間が思うスガシカオらしさ」のようなものを脱ぎ
捨てた開放感を感じる。最近発売されたベスト盤を聴くと余計に
そう思える。でも、ファンクとよいメロディーへの執着は変わらずな
ところが、またカッコいい。


【Shiplaunching/冨田ラボ】

昨年の日本のポップス界で「クインシー・ジョーンズ的アルバム」
といえば、これ。フィーチャーしているアーティストの扱い方が、
どんな食材もキレイに切る職人の包丁さばきを思わせる。


【二階堂和美のアルバム/二階堂和美】

軽やかに歌の表情を変えて跳び回るけど、奥底に屈折を秘めて
いる感じが魅力。積極的な意味で「異才」「鬼才」という言葉が
似合うアーティスト。


【WAVE/YUKI】

日本の30代の女性歌手で、年齢を重ねるごとにこんなに魅力的
な歌い手になっている人はそうはいない、と思う。とっつきやすさと
先鋭性と少女性をいいバランスで保っている。なぜか「ドラマチック」
という曲で泣けるんだ、個人的には。


…という感じですね。
邦楽の場合、「いかにもロック」って作品が意外と入ってなくて、
「カッコいい」とは思っても、新鮮さや新しさを感じさせてくれる
ところまでに至るアルバムに出会わなかったかな。

次回は、2006年ベストアルバム(洋楽篇)です。

                          (選曲担当:稲葉)

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